当クリニックでは、インビザラインの治療の方針や経過・結果について、コンピュータ作成動画”ClinCheck(クリンチェック)”を患者さんと一緒に見て、対話をしながら進めています。このときは、できるだけ患者さんのご希望を取り入れ、結果に反映できるようにしています。
しかし、細かいところでは、どうしても専門的知識や一般常識の部分で意見の違いが出たりします。
例えば、上顎の前歯の並び方。解剖学的には、4本の切歯の大きさや高さは微妙に異なります。歯の真ん中に一番近いところにあるのが中切歯、その横が、側切歯、そしてその横にあるのが犬歯です。これらの左右6本を前歯と言います。犬歯を除いた四角い歯4本は切歯と呼びます。この歯並びには機能的に意味があります。ですから解剖学的にも違いがあります。我々が、この6本の歯にブラケットを付けるとしたら、歯の先端からの距離を測って位置決めをします。
例えば、中切歯は先端から4.75㎜、側切歯は先端から4.5mmにブラケットをつけますと、まっすぐなワイヤーを入れて歯が並んだときは、先端までの高さに差が出ているのです。決して先端は真横に一直線ではありません。次に犬歯を考えてみましょう。
犬歯は、先端が切歯のように平らではないので尖頭と言い、ブラケットは5mmの位置につけます。ですから側切歯と犬歯の先端部分は-0.5mmの段差があります。これが正常です。
このように上の前歯の先端は直線で並ぶのではなく、仮想の湾曲をするようになります。これが、少し微笑んだ時の下唇の湾曲とマッチした状態がきれいだともいわれています。スマイルラインです。
さて、右下のアニメ。最近のアニメは、リアルに劇画チックではありますが、巨人であっても人であれば生える歯の本数は同じなはずです。しかし、これは、顔の大きさに対して歯が小さすぎるから、本数が多くなっています(笑