今日、TVを観ていたら、『セラミック矯正』という新しいCMを始めた湘○美容外科が気になりました。画面のコメンテーターは、例の二重手術の発言をしている医師。歯科があるのでここで治療されるのでしょう。
これまでもこのブログで何度も取り上げましたが、『セラミック矯正』は学術的用語ではありませんし、矯正歯科医はしません。
これは、以前からある、補綴処置です。歯並びのよくない数本の歯を削って、歯根はそのままにして歯冠(歯の頭の部分)を人工的に綺麗に並べ替えるものです。抜歯のこともあります。多くの芸能人の方がやられています。八重歯が特徴の、松○聖子さん、小○ルミ子さん、元野球選手の清○氏など、そうですね。八重歯の人が急に歯並びが治り白くなっているのは、殆どがこの方法です。
しかし、このような方法は、健全な歯を削る、歯の根の位置は変えない、歯茎高さの揃っていないものはそのまま、歯を抜く場合もある、そして、重要なことは、永久的なものではないことです。最初、補綴物と歯茎の境目がぴったり合っていても、老化現象で経年的に歯茎が歯根の方に下がりこの人工補綴物との境目が見えてきたり、補綴物の破損、汚れ、などは避けられず、作り直しは必ず起こります。その時は、この人工物を外して、新しく作り直す必要があり費用がかかります。もし、他にも不正咬合があって、見える前歯の部分しか補綴していないとすると、後方歯の不正咬合は放置されて悪化し、その結果、不正咬合は全体に及び崩壊するかもしれません。費用は、総額で矯正歯科治療よりも高くなるでしょう。
矯正歯科治療は、時間がかかりますが、すべて天然のご自分の歯で並べ替えます。もちろん天然の歯であっても、人体の老化は避けられません。ですから、私は矯正治療後の保定期間を通常の2~3年とはせず、半永久的に考えてかみ合わせや歯並びを長く維持することにご理解と協力を頂いています。
もし、見えるのが嫌なら、目立たない、見えない矯正装置があります。
矯正歯科治療は、単なる”美容”ではありません。