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銀座・デンタルオフィスXのインビザラインモニター商法事件

私には迷惑な事件が起こりました。

某SNS情報によりますと、デンタルオフィスXのインビザラインモニターモデル契約、引っ掛かった人数が650人超えたそうです。158万円のローンを組ませてキャッシュバックするから実質無料と謳って集客し、キャッシュバックされるはずの支払いが遅延して事件が公になったようです。このオフィス運営会社は、京都や福岡などに全国展開しています。

しかしながら、冷静に考えてみて、装置代・治療費は154万(銀座院は187万)と高額で、ローンを組ませられ、それがモニターすることでキャッシュバックで無料になると言う甘い話はあり得ないですね。当クリニックの2倍の価格です。

中には、この甘い話につられたのではなく、「実績のある先生」だから信頼し契約したと言う方もいるようです。

この実績とは、何を根拠にしたのか? それは、アラインテクノロジー社の発行するプロバイダーランクです。

治療担当するI医師が『日本に3人しかいないレッドダイヤモンドプロバイダー』を取得されているからだそうです。

これは、正にアラインテクノロジー社の商業戦略の一つです。provider、すなわちアライナーという商品を提供する我々歯科医院・お得様の心理をあおる側面があり、必ずしも治療実績とは繋がるものではありません。多くの患者さんと契約したという証明でしかありません。多くの治療を手掛ければ、それだけ治療経験は積み上がるのでしょうが、良好な治療をした評価の数ではないのです。

例えば、マラソンランナーの選手が、毎日、50キロを走り続けたとします。その累積総合距離を云々しても、オリンピックで最速者に送られる金メダルを取れるとは限りません。

実際に聞く話です。インビザラインの治験実績がゼロなのに、一気に多くの患者さんと治療契約を結び、アラインテクノロジー社からランクの楯を頂いたと院内に飾り誇っているクリニックがあります。しかし、治療がうまくいかず、アライン社に相談する件数が少なくないと言うのです。これは、アライナーの責任ではありませんが、知識も経験もない人が使うのは危険です。だからと言って、アライナーは廃止すべきと言う理論には無理があります。殺人事件に使われる包丁は危険だから、販売禁止にした方がよいとはなりませんね。

問題は、遅延なのか、お金を奪取するつもりの詐欺なのか、はたまた、この集めた資金で何をしようとたくらんでいるのでしょうか? しかし、装置代が高すぎです。テナント料やスタッフ給与、豪華な内装、など考えても、、、これほどまでならないと思います。まあ、安すぎるのも不安ですね。