昨日は、有楽町の朝日ホールにて午後6時~8時10分まで、東京矯正歯科学会秋季セミナーに参加してきました。
テーマ―は、「混合歯列期における早期治療の役割」ということで、3名の講演者のお話しがありました。
私みたいに古い人間ですと“早期治療”という定義は、矯正歯科学会では長く乳歯咬合期での矯正治療、とされてきましたので、テーマのタイトルに少し違和感を覚えました。
この反対語は、晩期矯正治療となります。
しかし、最近では、定義や解釈が変わり、乳歯列期や混合歯列期に、二段階で治療がおこなわれるもの、となっています。成長過程にある顎の発達や歯の生え方をコントロールし、理想的な歯並びを目指すことが目的となっています。
具体的には、指しゃぶりや口呼吸、舌の使い方などの生活習慣を治したり、基本的に取り外し式の装置などで口腔周囲筋のバランスを整えたり、反対咬合や上顎前突などの上下の顎のずれや不調和を改善していきます。
私の考え方:矯正歯科治療の最終ゴールは、成人での綺麗に並んだ歯並びと咬合ですので、二段階治療の前期となる早期治療で十分かと言いますと、やはり後期となる永久歯列期の治療が必要になるケースは少なくないようです。一人の講演者から、文献的には早期治療患者の3割程度が、後期治療をしないで終了したとの報告があると言われてました。
私は、常に「永久歯列完成時に、その後の治療が必要かどうかの判定をしましょう」と説明しています。そして、早期治療では、基本、取り外し式装置で、あまり個々の歯を並べたり、ワイヤーなどの固定式装置は使わないようにしていますので、限界もあります。不正咬合の原因や内容にも寄りますので、個人個人で治療計画や使用する装置が変わってきます。