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出っ歯には2種類があります

出っ歯、一般世間では、上の歯が下の歯より大きく前方に出ていることを指しますが、学術的には上顎前突と言います。

上下の前歯が前後的にずれているので、当然、臼歯(奥歯)のかみ合わせも正常に比べると、凸と凹の関係が前後的にずれています。このような関係を、Ⅱ級咬合と分類しています。

このⅡ級咬合であっても、上の前歯が出ていない人がいるのです。それでタイトルのように2種類あるというのです。

出っ歯の典型的な例は、”さんまさん”ですね。それとは逆に、上の歯が出ていなくて、後ろに傾斜している咬み合わせがあります。

これを区別するために、Ⅱ級2類と呼びます(出ている場合はⅡ級1類)。

右横に示す写真のように、上が大きく出ているのではなく、下あごが小さい人も出っ歯と呼びます。

われわれは、このような下あごがない、引けている横顔から重度の場合を”鳥貌”と呼ぶことがあります。写真の例(右)は、下あごの外科手術によって改善した例です。まあ、程度のこと、横顔が気になる、などで決めていきます。

Ⅱ級2類の方では、上の前歯が大きく下がってしまい、上の歯茎が見える、下の歯があまり見えない咬み合わせ、顎の関節の不具合(下顎の動きが制限されるなどで顎関節症になることも)があったりします。

矯正歯科治療はあまり易しくないですが、できれば10代の成長期に治療をしたいですね。それは、下あごの前方成長をが期待できるからです。

治療の基本的な考え方は、原因の除去ですが、上下の顎の大きさを変えることは外科手術しかありませんが、その程度によって歯の補償的改善で妥協できるケースもあります。