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指先と舌先の感覚

矯正治療の殆どのものは口の中に装置が入ります。可撤式、固定式のほかに、装置の大きさ、形状、材質などで様々です。従いまして、当然違和感があります。長期の使用で慣れてきますが、その反応には個人差があります。傷ができたり、歯の痛みもあります。

ところで、自分で足の裏を指で触れても何も感じないのに、他人に触れられるとくすぐったいと感じるのはなぜでしょう?

この命題に取り組んだのは、古代ギリシャのアリストテレスです。彼は、『万学の祖』と呼ばれています。医学の祖としても有名です。さて、彼の出した回答は?

「自分の指では動きが予測できるため」

歯科治療で、患者さんは口の中で何が行われているか見ることができません。それで不安になるのは当然ですね。彼は、五感のなかで触覚を『第一のもの』と位置付けています。

下の図は、脳の中のこびと、と呼ばれているもので、大脳が感知している器官の範囲を示しています。立体化するとリアルですね。大きさが異なります。舌と指先では、感覚の種類が違いますが、二点間の距離では、舌先の方が繊細です。