患者さんから、『前歯の凸凹が気になります』『部分矯正で治したいのですが、、、』というお話があります。
ここでも、過去にご説明したことがありますが、よほど条件が揃った場合でないと簡単には行えません。
歯を並び替えるには、装置はもちろんのこと、並べる隙間があるかどうか。たとえば、上の前歯を引っ込めたいというご要望がありますと、前歯を後ろに下げる隙間がないと無理です。前歯を動かすのに空隙を確保するためには、
①歯の大きさを削って小さくする、②歯列を広げて、歯が並ぶ領域を作る、③後方にある歯を、さらに後ろに移動する、④小臼歯を抜去する、⑤前歯を表側に出す、などがあります。
さらに、大事なことは、たとえば、上の前歯を正しく並べても、下の歯に不正がありますと、治療後に異常な所が当たるようになってかみ合わせが変わる、あたる歯を削る、などの変化や処置が必要になってきます。治療では、側方のかみ合わせを変えないように、あるいは、かみ合わせが正常なことも重要な条件です。
*下に一例をお示しします。これは、アライナー矯正装置で上だけを並べると想定したケースです。
○治療前 ○治療後
○未治療の下の歯並び ○赤くマークされた部位が異常に強く当たる