先日、13年ぶりに保定中の患者さんがお見えになりました。
当時、10代も今や立派な成人女性に。
さて、お口の中を拝見すると、なんと、前歯が反対咬合(受け口)と空隙歯列に。もともとは、高校生の頃に骨格性の受け口でしたが、矯正歯科治療は顔面骨格の成長終了を待ってから開始し正常な被蓋(前歯のかみ合わせ)として終了しました。
ですから今回の変化の原因は、骨の成長変化ではありません。保定装置はすでに撤去され使用されていませんでしたが、考えられる要因は、舌の癖です。ここ3年くらい前から変化が出てきたとのことです。
やはり、嚥下時には舌が前方に出てます。しゃべり方も。
セファロレントゲン写真検査から、下顎の切歯が前方に傾斜しているのがわかります(唇側傾斜)。
もともと、上顎に比べ、下顎が大きく、歯の大きさもやや小さめですから、歯列に隙間があり、受け口でした。そして、重要なことは、舌が大きく、下顎の底の方にデンと座っている感じです。本来は、上顎の方にあるべきものですから、これを低位舌と呼んでいます。
診断にて、再治療することになりましたが、治療のカギを握るのは、この舌の動き・位置の改善です。正しいところに位置付ける自己トレーニング(myofunctional therapy)と、装置などで舌が歯を前方に押さないようにしないと治療は成功しません。
さあ、頑張らないと!