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国民皆歯科検診

既に報道等でご存知の方もいらっしゃると思いますが、政府が2022年6月に決定する指針「骨太の方針」で、「国民皆歯科健診」の導入が検討されています。2025年を目指しています。

目的は?
現在、「歯科健診」は1歳半と3歳、学校に通う子どもが受診義務の対象ですが、年齢を問わず1年に1回の歯科健診の受診を義務づけることで歯の健康を守っていくのが目的です。
2021年に示された「骨太の方針」には「生涯にわたって歯科健診を強化すべき」とあり、歯科健診の受診は推奨されていたものの、今までは個人の自由に任されていました。
しかし、2人に1人が1年以内に歯科健診を受けていない現状などを踏まえ、今回の方針に「国民皆歯科健診」という表現を盛り込むことが検討されているのです。

さて、その背景にあるのは?

歯科健診義務化の背景には医療費の削減という目的があります。
厚生労働省によると2020年度の医療費は42.2兆円と、前年比で若干減少しているものの、近年は過去最高額を更新し続けており、少子高齢化がこれからも進んでいくことを考えると、医療費の削減は必ず達成しなければならない問題です。
また、2021年にサンスターグループによって、歯の本数やかみ合わせによって医療費が大きく変わってくるという研究結果が示されました。
本研究によると、歯の本数が少なく噛み合わせが悪いと全身の医療費が上昇、すなわち歯の健康維持が、結果的に医療費の削減につながるとわかったのです。

私の考え方は、

多くの人が中高年になりますと歯周病などで歯列の崩壊が始まります。「若い時は、こんなに歯並びが悪くなかったのに」等と嘆かれます。そこで、歯周病治療を開始しても、一旦崩壊した歯列や咬み合わせは元に戻りません。対症療法、悪化のスピードを緩めるぐらいしか効果はありません。

早期発見と早期の治療が大事になります。そのためには歯科検診が有効です。

若い人はもちろんのこと、むしろ、中高年の方にこそ歯列矯正をお勧めします。そして、一旦整った歯列は、”保定装置(retainerと呼びます)”を使って長期間、維持するのです。

矯正治療を経験された方は全員、保定が必要です。しかし、皆さまはこの保定装置を外したがります。すると歯の変化が起こってきます。long life with retainerです。歯は全身の健康に繋がります。