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矯正治療における連携

私は、自分の患者さんの他に、連携をとりながら海外のアライナー患者さんも診ています。

メインは、オーストラリアのキム先生(シドニー)の患者さんですが、中国の患者さんもいらっしゃいます。

先月は、国内でワイヤー矯正中の患者さんが『装置が外れたので処置して欲しい』と電話がかかってきました。

さらに伺うと、別の矯正医にも当たりましたが、『他院で治療中の患者は診ない』と断られたそうです。何故でしょうか?

転院されて継続治療となると、手続きや料金のことなど直ぐには出来ないことはありますが、目の前で困っている人を助けるのは医者の役目ではないでしょうか。

逆のこともありました。私のアライナーで矯正治療中の患者さんが、配属転換のご主人とともに東南アジアの某国に転居されました。そこで、トラブルが発生しました。それは、口腔内で使う輪ゴムのボタンが一カ所外れたのです。

私は、この患者さんには、渡航前に赴任される現地でアライナー治療を行っている歯科医院を調べてお渡ししていました。そこで、患者さんとはメールのやりとりにて、患者さんからその医院に連絡を取って診てもらえるかどうか聞いてください、とお伝えしました。すると、最初は『日本とはシステムが違うので診られない』と断られました。患者さんは、現地語が話せないので通訳を介しての電話です。私は、①転院での継続治療ではない、②ボタンをつけるだけの応急処置で10分で終了する、と食い下がるようにお願いしました。今回の矯正治療に関するキーワードも英語でお知らせしました。

二回目の電話で『なら、来てみてください』となり、伺うことになったのです。

そして、患者さんから連絡が来ました。

『診てくれました。10分で終わりました』と。そして、帰り際に『また、取れたら来てください』と言われたそうです。料金も1800円くらいで済んだそうです。有難いことです。我々は、患者さんを選別したり、拒否してはいけません。応急処置は矯正医として当たりまえのことだと思います。困っているのは患者さんです。互いに助け合いましょう!