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矯正歯科は、矯正歯科治療だけではありません-1

変なタイトルですね(笑

分かりやすく言いますと、矯正歯科治療の対象になる患者さんは、歯並びだけが問題となる方ばかりではありません。

例えば、永久歯が欠損している方。生まれつき歯胚のない方や、後天的に虫歯や歯周病などで無くなった場合がそうです。

因みに、先天的に6本以上の先天欠如歯の場合は、保険適用になります。残念ながら親知らず(第三大臼歯)は含まれません。

さて、そのような方の場合、歯の無いところをそのまま放置していますと、当該歯の両側にある歯が倒れてきて、歯列に空隙ができたり、歯列の正中がずれたりします。

そこで、この隙間は早く埋めなければなりません。方法としては、①矯正歯科治療で他の歯を移動して閉鎖、②補綴物を入れる(義歯)、となります。

義歯の場合では、可撤式の部分床義歯、固定式のブリッジやインプラントなどがあります。さて、このような補綴処置を行う場合、抜けた歯以外の歯列に問題なく、対咬歯も問題なければ、処置はそれほど難しくはありませんが、欠損から時間が経過して歯が倒れていたり、対咬する歯が伸びてきている、その他の不正咬合もあったりするのが普通です。したがって、良い補綴物を入れようとしても、周囲の条件がそれを許さないことがあるわけです。

では、どうするか?

補綴処置の前に歯を並べ替える矯正歯科治療が必要となります。補綴前矯正と言います。最近では、包括的歯科治療とか、comprehensive dentistry, multidisciplinary dentistryなどと呼ぶこともあります。つまり、矯正治療単独では終了しない治療です。歯周治療とか、外科治療なども関連するとより複雑になります。

ー続く